田原凌祐の鍵盤弾き語り日記

広島県出身20歳、キーボード弾き語りシンガーソングライターが未だに青春してる10の理由

ASKAさんへ

 

『Too many people』は邦楽史上最高な名盤だと思う。

 

あまりにも言いすぎたら宗教じみてしまうけど、J-POPは今まで色んな事を見落としすぎてると凄く思った。こんな傑作が出来上がるほど、この世界には素晴らしい言葉や音階や楽器があるというのに。その全てを有意義に使えてない音楽が時代を埋めて、いつしか濃厚な音楽を理解出来る人が少なくなって、「深い」は「ぶっ飛んでる」と言われるようになった。

 

とはいえ、大多数を占めるそんな脳ミソに合わせる必要はない。今、これを読んでくれてるあなた達によってJ-POPは辛うじて救われています。音楽を読み解ける皆さんによって。

 

でもこんな世の中にASKAさんの新譜は大きな評価をされました。凄いものを凄いと思える人が沢山いました。勿論、この円をちゃんと分かる人はガムを噛むように自分なりに歯形を付けたでしょう。しかし分からない人にも、滲み出る何かが伝わって何故か泣けてくるって現象が生まれたんです。初めて噛んだガムを美味しいか美味しくないかの基準で決める間もなく、「懐かしい」とか「優しい」とか「愛しい」とかが広がったんだと思う。

 

僕はASKAさんの誕生日に渋谷のタワーレコードで購入しました。

 

f:id:TawaraRyosuke:20170227235439j:plain

 

f:id:TawaraRyosuke:20170227235509j:plain

 

そして、自宅でひとり視聴会をしました。CDを聴くことを日常に同化させないで、まるで映画を観に映画館に行くような気持ちで、歌詞カードを読みながらCDを流して聴いたのです。それだけに集中した63分。

 

聴いて溢れまくった想いは書き出したらキリないので、感想は次のブログで綴ります。このブログで綴りたい本題をまだひとつも綴れてないので、、、。

 

 

先日、YOUTUBEに『ASKAさんへ ~episode2 』というタイトルの動画を公開しました。『reverse』というオリジナル曲の音源のリリックムービーです。

 

www.youtube.com

 

reverse

 

作詞・作曲・編曲 田原凌祐

 

君はちゃんと見付けてないんだよ

僕はちゃんと見付けてないんだよ

月の裏側が見えないように

 

誰も皆 隠し持ってるカードがある

めくられないように守ってる

僕らが僕らでいる為の神経衰弱

 

欲しがったり 拒んだり

シーソーのように愛情を 君と僕でゆらゆらさせてる

時を重ねてお互いに 言葉がなくても通じ合える

傾く角度を変えてあげる優しさを持てるようになるんだ

 

月が滲む あれは満月か三日月か

それも分からないくらい この目は悪くなったんだな

今、僕の心が映し出す月の形がある

君のことを好きでいたい いさせて

 

「僕の全部で守り続けるから」

「一秒たりとも見逃しはしないから」

そんな決め台詞は風のように吹き抜けていく

 

芝生に寝転がってくすぐってみたり

急にかくれんぼを始めてみたり

日常の何気ない君に折り目がついてる

 

天井も壁もない部屋で 星空が見えるのは

当たり前の事なんかじゃないんだ

それ以上は知りたくない そんなにも踏み込まないで

全てを知る事が本物の関係だとは思わない

 

虹の麓 目指したって途中で見失ってしまう

それもそのはずさ 遠くからしか見えない景色もある

今、僕は誰かから見た虹の麓に立ってるのかもな

君に会えたことが多分 そう

 

願い続けたその先で 止まった時計も動き出すだろう

動き出したその時に 止まってた訳じゃないと気付けるだろう

 

出会うよりも前の君の事は 有耶無耶なままでいい

僕らが僕らでいる為の処方箋

 

月が滲む あれは満月か三日月か

それも分からないくらい この目は悪くなったんだな

今、僕の心が映し出す月の形がある

君のことを好きでいたい 

ずっと 好きでいさせて

 

 

既に聴いてくれた人もいるでしょう。この曲はTwitterでもツイートしたように、ASKAさんが誤認逮捕で拘留されてた間に制作したものです。

 

去年の11月28日、電気が走るような衝撃が体いっぱいに起こりました。そこからの酷い報道は皆さんもご存じの通り。拘留されて何も言えない本人をいいことに、報道とは呼べない想像のニュースが連日並んだ。悔しくて悲しくて、信じてて祈ってて、あの痛くて長すぎた3週間。あの日から僕の音楽は完全にシャットダウンして、何も手につかずにいました。

 

でもTwitterで同じ想いの人達と共有してるうちに、押さえつけられてた感情が溢れて、その時に何故か最初の2行の歌詞とメロが同時に降りてきたのです。僕はそれを何度噛み締めても何を表してるのか全く分かりませんでした。ただ、シャットダウンしてたところに降りてきた偶然を偶然にしてしまうのは違うという事だけは理解出来ました。

 

ここから歌を作ろう。僕は何とも言えない現実を音楽に落とし込もうと決めました。

 

しかしこの複雑で感情ばっかりが先行する現実を真っ直ぐに歌にしたところで、音楽としては全く機能しません。そうじゃなくて些細な所を繋いで、日常に置き換えること。この現実と関係ない所を歩く人にも伝わるような形にフィットさせること。これに尽きます。

 

僕は気持ちが先走らないように表現を用いて慎重に歌にしました。

 

ASKAさんとファンの関係であるように、この世にはいくつも「君と僕」という関係が存在してます。誰かが誰かと繋がりを持ったならそれはすべて「君と僕」の世界。家族や恋人や友達、みんなそうです。

 

その関係が良いもので在り続けるには、お互いがお互いを認め合って、シーソーのように時に相手に合わせてあげる事も大切です。そしてここからが大事で、相手を知りすぎないって事も大切なんじゃないかなと思うんです。

 

憶測が憶測を呼んで、加熱する報道と鵜呑みにする世間。知る権利というものがこの世にはあります。だけどそれなら知らなくていい権利というのがあってしかるべきなのでは。報道の自由のすぐ裏側にあるのはプライバシーの保護です。

 

「ゲス不倫」と言われて叩かれに叩かれた去年の1月の報道。不倫の事以外まで、マスコミは追いかけました。昔から変わらない「弱い所につけこむ」という体質。

 

しまいにはLINEが流出して炎上は更に燃え上がりました。しかしメディアは「LINE流出」という大問題には触れませんでした。悪い事は悪いと言って必要以上に世間を散らかすくせに、おかしい事に対しては鍵をかけたまま。

 

文春やFRIDAYをはじめとした虐めの群れは恥の上書きです。情報をゲットしたら鼻を高くして調子に乗って、あらゆる人を傷付け続けながら何年も何食わぬ顔で存在してる。

 

その有り様を見て、僕は誰かの尻尾まで掴む必要はないと思いました。好きだからこそ、大切に想ってるからこそ、人は相手の事を沢山知ってあげたいと思う生き物です。でもそれが息苦しさを生んだり、逆に相手を傷付けたりしちゃう事もある。知りすぎて自分が傷付くこともある。

 

誰だってめくられたくないカードを胸に忍ばせてます。長い付き合いの関係ほど、そういうものです。

 

全体的に難しい歌詞かもしれないけど、2番のBメロの2行だけとても真っ直ぐ。

 

“それ以上は知りたくない そんなにも踏み込まないで

全てを知る事が本物の関係だとは思わない”

 

この2行を幹にして枝や葉を伸ばしてると思ってもらえたら、この曲はきっと感じやすくなると思います。表現の間をくぐりやすくなるはずです。拘留期間中に目にしたいくつものニュース、即ちマスコミの群れがこの歌のきっかけになったのは言うまでもありません。

 

そして僕はこの歌詞を書き上げて、『reverse』というタイトルをつけました。「表と裏」というような意味をこの曲に持たせたいと思ったからです。

 

人の心には表と裏があります。心の奥に入っていくのはいいけど、裏側まで行く必要はない。カードは表のままでいいんです。その絵柄まで知らなくても楽しくやっていける。だから、「好き」っていうのは分かりきったうえで、”好きでいさせて”って話なんです。

 

これらをふまえて聴くと、きっとこの曲の響き方はまた変わると思う。ここまで読んでくれてありがとう。

 

 

2年半前に公開した『ASKAさんへ』という動画。2014年5月の事件、あそこから皆さんの想いが集まって完成したひとつの形。気付けば10万再生を超えました。今もあの動画にASKAさんに対してのコメントは増え続けてます。

ASKAさんへ - YouTube

 

TUG OF C&A の皆さんと一緒に作り上げたものが確かにある事。あの動画を公開した日、僕はこんな今が来るなんて想像もしてませんでした。皆さんの中にもある記憶。それほど未来の圧力が半端なかったんです。でもあの動画の中にあるメッセージのいくつもが現実のものとなってること、なってきてること。

 

「人は願うものがある限り果てしない」

 

ASKAさん、本当にありがとう。