田原凌祐の鍵盤弾き語り日記

広島県出身20歳、キーボード弾き語りシンガーソングライターが未だに青春してる10の理由

『Post-it』 トレーラー映像を公開

先月の終わりに1分弱の曲を書きました。4月19日に発売するシングルのボーナストラック用に書き下ろした楽曲です。

 

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曲名はシングルタイトルと同じ『Post-it

ボーナストラックとはいえ、このCDにとって重要な役割を担ってます。

 

本来であればすんなりA面曲のタイトルがシングルタイトルになります。それでこそシングルですから。だから今回はトリプルA面なので『希う/ランナーズハイ/Whatever』というタイトルで発売するつもりでした。

 

なのに何故、『Post-it』という別タイトルを用意したのか。

 

去年の9月に『ランナーズハイ』、10月に『Whatever』が完成しました。そして今年初の制作で『希う』を書きました。この3曲が本当に会心の出来でライブでも必ず歌っていくけど、次のアルバムまで期間もだいぶ空いてしまうから、シングルとして一度音源を出しておく事に決めたのです。

 

その為にはカップリング曲が必要です。曲のストックは『希う』を完成させた時点で沢山あったからそれを収録しても良かったんですが、カップリングという枠組みを楽しみたいなと思い新しく作る事にしました。

 

A面タイプの曲やアルバム曲と違って、カップリングは最も自由に出来る場所です。いつもより動けるスペースがだいぶ広くなります。とはいえそれはA面曲やアルバム曲のように、ちゃんと伝わるようにここからここまでというボーダーラインがあるのをあえて超える訳なので、その点は慎重にならなければいけません。

 

そこにさえ慎重になれば、あとはどの位置に立ってみるかだけの話です。

 

シングルは6曲入りで、6曲目は中学高校時代に作ってた曲をリメイクして録り直そうという考えでした。9ヶ月前に作ったシングルもそうなっています。となれば、今回は既にA面曲で3つ埋まってるので2曲作れば大丈夫です。

 

そうして『remember of forget』と『9番』を2月中旬に完成させ、リメイクする曲も録り終えて、CDにする為の曲数が揃いました。

 

しかし「これでよし!」と思って最終調整に入っていた頃に、予定が一気に引っくり返ったのです。2月22日に発売されたASKAさんのアルバム。『Too many people』、これを聴いて僕のクリエイター魂に火がつきました。

 

2曲作って落ち着いてる場合じゃない。ホットココアをペンに持ち変えて、僕の中のポップスは僕の知らなかった世界まで振り幅を広げてくれました。

 

リメイク曲もCDに収録するのは辞めにして、カップリングは全て新曲で固めてしまおう。アイディアは水のように流れてきました。言葉やメロは降りてくるどころか、稲光のように落ちて来ました。3月はほんとに神ってた気がします。

 

同じ人が作ったとは思えないような作品を作りたいといつも思ってるので、自分の落ち着くポイントを取っ払って、あえてこっちに行ってみるというやり方を今回は必要以上におこないました。

 

アレンジは詞と曲を完成させたときのイメージとは違う方向に行ってみたり、大好きな転調を更にパワーアップさせました。コード進行も曲作りで拘りのひとつですが、発想自体を極端に捻じ曲げて面白い展開を作った次第です。

 

そういった点というのは作り手の魔法だと思っています。そんな音楽的な構築はいちいち聴き手に伝わる必要もありません。だって音楽は感じたままでいいから。要はその感じ方の為に、こういうエッセンスが実は隠されてるんだよっていう話です。「この歌いいな」と思う誰かの曲でも、「良いと感じたから良い」という他にありません。でもその「いいな」の為にどんな魔法を組み込んでいるか、僕は作り手である以上そこを知る必要があります。

 

『パブリックメディア』と『風船が割れた日』を作って合わせて7曲になった時、シングルなのに繋がりを意識するようになってました。どんなタイプの曲が足りないか、どうやって他の曲を活かすか、狙いを定めて『宇宙エレベーター』と『彼方』と『Dear』を作って、通して聴いた時にしっくり来るように曲順を並べました。

 

これだけ曲数が増えてしまった結果、『希う/Whatever/ランナーズハイ』という単なるトリプルA面として出す事にはしっくり来なくなったのです。

 

これはアルバムではないし、カップリングという形で制作した曲ばかりなので特に統一性はありません。でもいくら幅を広げて作ったにしろ、同時期に量産した曲であるという事は芯にあるものはそんなに変わらないんじゃないかなと思いました。自然とそうなってるんじゃないかなと。

 

枝の伸び方がそれぞれ違っても、全部同じ幹から生えたものです。僕は集まった曲から幹を見つけ出そうとしました。

 

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そう考えた時に頭にずっとあったものが呼び起こされました。『風船が割れた日』という曲が完成した時の事です。データをローマ字保存する時に、”u”をひとつ打ち忘れてフォルダ名を”Husen“と打ってしまいました。この”Husen”、すなわち付箋。僕は偶然は必然だと思って生きていくタイプの人間なので、このワードがなんか妙に印象に残った訳です。

 

ランナーズハイ』を作ったのが9月なので、そこからの7ヶ月間で起こった出来事が曲に絡んでいくのは自然な流れです。その期間の出来事はほんとに色々あって、その中にはきっと皆さんと共有できる事もあります。

 

ただそれを直接的に投影するのは違うので、それらは全てポップスに書き換えています。「曲で自己表現をしたり自我を込める事はしたくない」というのは常に持ち続けてるし、いかにエンターテインメントであるか、マジョリティーなものであるか。

 

掘って掘って掬いあげた結果、僕が見つけ出したのは”言葉”という共通性でした。これは並んだ曲を聴いてもらった時に分かると思います。タイトルとして考えた時に”言葉”とか”Word”だと納まりが効かないので、それと同じ周波数を持った言葉として頭にあった”付箋”が呼ばれてきました。

 

ボーナストラックの曲は、タイトルの意思になぞらえるように書きました。お別れの時や立ち止まっていた時とかに誰かに言われた言葉、自分のその時の感情とリンクして感動した言葉、あの時からずっと貼り付いたままの言葉が誰の中にもあると思います。僕にも忘れられない言葉があります。

 

その言葉が胸に貼り付いた日へタイムリープするような、もっと言えばその言葉をくれた人がその言葉を言う為に交わっている過去にまでタイムリープするような。言葉そのものには語源があります。紀元前何世紀の話です。それと同じように誰かが発した言葉にも生まれた場所があります。その人の生きて来たどこかのポイントでその瞬間に繋がる語源があります。ここに触れる事が出来るような旅を『Post-it』の曲達が誘えたらなという気持ちです。

 

ずっと『時間』を歌うキーボード弾き語りシンガーソングライターとしてやって来たから、どんなテーマであれ過去とか未来とかいう話からは切り離せないんですね。結局、そこへ繋がってしまいます。

 

もしかしたらあなたも誰かにとっての付箋を貼り付けてあげてるかもしれません。それは言った本人にはわからないことです。でも誰かがその言葉を胸に生きているかもしれない。

 

そうであると共に、言葉は凶器にもなります。言葉は廻っていきます。世間や報道はもちろんのこと、発した言葉やSNSで呟いた言葉にだって責任が伴います。人を傷付ける事は簡単です。良くも悪くも言葉は重いから。この事もちゃんと感じてほしいなと思っています。

 

いつの間にか10曲になったけど、6曲入りで考えてた時と同じように価格は500円のままで設定しました。そこには多くの人に聴いてもらいたいという一心のみです。

 

是非、皆さんの感想を聞かせて下さい。このCDが皆さんの付箋になりますように。トレーラー映像も本日公開したのでご覧下さい。

 

www.youtube.com

 

完全自主制作なのでライブ会場等の手売りと個人オンラインショップでの販売となります。今まで使っていたショップが販売しづらくなった為、別なところを模索中なのでもうしばらくお待ち下さい。今週中には予約できるようにします。

 

あ、あとこちらのコンテストに『希う』で参加してます。Twitterアカウントがあれば投票できるので宜しくお願いします。皆さんの一票が鍵を握ってるので拡散もして頂けると幸いです。

eggs.mu

 

 

あと10日で発売です。大事なのは発売してからだと思ってます。売っていかなければいけないからという事ではなく、ひとつの作業を終えてそこから次に何を念頭に置いて活動していくかという事です。

 

ひとつ踏み外せばもう終わってしまう時期に来ています。もしも僕に唯一自我を宿せと言うならば「必要とされたい」という事だけです。自分の作る音楽をコンパスにして進んでいきたいと思います。

 

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