田原凌祐の鍵盤弾き語り日記

広島県出身20歳、キーボード弾き語りシンガーソングライターが未だに青春してる10の理由

新曲 『未来の温度』

今年も残すところ2ヶ月半。
ついこの前までの日差しの強さは何処へ行ったのやら、ほんと一気に寒くなりましたわ。

 

営業にはここまでは売り上げなきゃならないというボーダーラインがあります。高校生には赤点のままじゃ進級出来ないという決まりがあります。同様に天気にも四季を織り成さなきゃいけないという天気の在り方があります。

 

天気たるもの、そこを間違えたならクビです。きっと焦ったのでしょう。9月だというのにまだ秋の面影も感じさせられてなかった事に。彼らは慌てて気温を下げたせいで、結果10月にして例年以上の寒さになってしまいました。かわいいものです。許してあげましょう。

 

さて、先日『未来の温度』という新曲を公開しました。皆さん、聴いてくれましたか?

 

曲が出来る度にそれなりに手応えはあるけど、ほんとごくごく稀に「こっ、これは!」って震える感覚の時があるんです。それが今回の作品でした。取っ掛かりの段階ではまさかそんな大事な曲になるとは思ってなかった。なんせ、喫茶店のバイト中に閃いた曲だったから。

 

まずは歌詞をどうぞ。

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曲も。

https://eggs.mu/artist/tawara_ryosuke

 

あれは木曜の18時過ぎくらいの事だったかな。そんな時間だからお客さんも少なかった頃、陸上部のような恰好をした4人の大学生が入ってきました。同じジャージを着てました。女3人に男が1人。いや、男だけ違う格好だったな。先生のようにも見えました。

 

その女の子の中の一人がほんと虚ろな表情と涙目で、救急車を呼んであげなきゃヤバイだろみたいな雰囲気があって。ソファー席に座った4人の空間はまるでお通夜のように暗く静まりかえってました。

 

肩が揺れるくらいの深い呼吸を繰り返す子の隣の女の子が、ひたすら背中をさすってあげてました。向かい合った位置に座ってた女の子と男性はそれをじっと見つめてました。全く関係ない僕まで胸を圧迫されるような感情があったな。

 

暫くして、虚ろな子と隣の子は一旦外へ出ました。震える肩を片手で抱えて、もう片手はずっと背中をさすってました。店内から見える角度でかなり長い事、それが続いてました。中にいるふたりはその間も全く喋らず。

 

外からふたりが戻ると、5分ほど経ったところで4人とも立ち上がり店をあとにしました。店内から見えなくなるまで、ずっと背中をさすってあげてました。何があったのか知りたくて堪らなかったけど、僕の中でもその内容を想像とかはせずに、よっぽど辛い事があったんだと思う事に留めました。

 

さすってる光景を見た時に自分の中に確かな衝動があって、息を吹きかけるように降りてきたメロとフレーズがあって、ポッケにあった紙の切れ端にそれを慌ててメモしました。「背中をさする」って行為を見た時になんとも言えぬ懐かさや新しさが溢れたというか、ビビビッと来てしまったというか、感情を凄く掴まれました。

 

実際の歌詞の中でも登場する「音のない不安」とか「恐怖をさすって」とかは、そこでメモってた中にあったフレーズです。

 

「背中をさする」って事をテーマにとりあえず書いてみよう!という軽い勢いで、家に帰って向き合いました。とは言え、「背中をさする」ってのは伝えたい事を伝える為のパッケージであって、それを中心に据えても歌としては機能しません。だからそこは書いてるうちにその奥側みたいな、本当に大切な事みたいなものは出てくるだろうと。

 

で、1番のBメロを書いてたところでやっと何を歌えばいいのかって事が見えました。それと同時に『未来の温度』ってタイトルも閃きました。これはほんとに閃いたって言い方が正しすぎるってくらいに、何の脈略もなくポッと頭の上に浮かびました。そこまでは『モールス信号』っていう仮タイトルで書いてたから。

 

「背中をさする」って行為には、ホッとしたり優しい気持ちになれたり、まるで魔法のような不思議な力があると思う。手を触れる。たったそれだけの事で心があったかくなったり、涙が落ちるべき方向へ零れたりする。

 

きっとそんな風に、当たり前になってて日常になっててなかなか気付けないけど、側に居てくれる人の何気ない優しさに皆何度も救わてると思います。あの時手を差し出してくれたほんの些細な事が、時を超えてほんとに大きかったりする。知らず知らずのうちに僕らはそのひとつひとつに支えられてます。

 

だからこの曲が、そうやって側に居てくれる存在の大事さに気付いて今一度ギュッと抱き締められるものになればいいなって。

 

これは前々からブログとかでも話してるけど、僕の音楽は1番が物語や楽曲を伝えるうえでの背景になっています。小説の裏面に書いてあるあらすじを詩的にしたものが1番だと思ってもらえたら。そして2番からは一気に切り込むのです。心に潜り込んで、人生観や道徳観みたいなところになっていきます。ブリッジで伏線とタイトルの意味を回収して、大サビで歌詞全体に繋がりを持たせる。大体そんな流れです。
その中でも毎回2番のBメロを最も重要視してるので、そこは特にインプットしてほしいな。

 

アレンジが過去最高レベルに時間がかかりました。「温かみのあるサウンドにすればこの曲の輪郭を捉えられてる」とは言えません。あくまでも持論だけど、歌詞で伝えたい事を伝える為にはただその事を歌えばいい訳じゃなく、それを伝える為に別なストーリーや具体性を引っ張ってきて重ね合わせなきゃいけないと思う。アレンジも同様で、歌詞と体を寄せ合う事がアレンジではないと。まだ別なところから引っ張ってくるべきサウンドの展開があるんじゃないかって。

 

そういう訳でこの曲をアレンジした結果、今までやった事のないような雰囲気のサウンドになりました。イントロのピアノのフレーズがあるけど、あれを最初から最後までリフレインしてます。ちょっと違う所も、そのリフレインを基にして音階を多少上げ下げした程度です。ドラムも2番からはずっとリズムをループさせました。電子音でバスドラムのリズムを刻んでみようとか間奏にコーラスを加えてみようとか、音楽はほぼ閃きの世界です。そこへ1本軸があればそれでいい。幹がしっかりしてれば、枝や葉がどう伸びようと大丈夫。

 

そうやって『未来の温度』は出来ていきました。ここで綴った事が全てじゃないからまだ色々と探ってもらえたら嬉しいです。結局僕から「時間の概念」を取ってしまったら音楽にならないもんで。

 

僕はかれこれ100回は聴いたはずです。電車で30分の距離もウォークマンのループ機能で流し続けてます。100回時間を行き来しました。

 

是非、あなたの感想を聞かせてほしい。Twitterとかでワード検索して見付けたら全て反応します。これを読んだうえでまた聴いたら感じ方が変わるとかじゃなく、この曲に関してはきっと最初の感じ方への上積みです。

そしてほんとに心から届いてほしい。歌は誰かに聴いてもらわなきゃ歌じゃないって言うけど、まさにその本質のようなテーマの歌だし。どうか広まってほしい。

 

YouTubeに毎度の如くリリックムービーをあげようと思ったけど、良い背景写真がなかったからEggsに公開しました。ちゃんと撮影して来月辺りにYouTubeでも聴けるようにします。

 

今はEggsで沢山聴いて下さい。あなたが聴いてくれる事が僕の背中をさすってくれてます。僕は音楽という形で精一杯返していきます。

 

現在は『ボトルメール砂の城』という曲を制作中です。

お楽しみに!